メッセージ
たとえば…私たちは手で分子マシンを操れるか?一見無理と思われる発想に宝の山がある。
人と違うこと、変な人であること、マイナーであること、人の予測を裏切ること、超人的に熱心であること、それと朝早起き。私は、成功した先生ではなく、変わった人間を貫きたいと思っています。馬鹿な発想でも、誰も思いつかないことをやろうとして、今の研究にたどり着きました。数年後は自分にも予測不能ですし、そのほうがいいと思っています。昨年、分子マシンがノーベル化学賞を受賞しました。それは、分子が機械のように動くという夢を現実にしたものでした。私たちは界面を使い、先端機械ではなく自分の手の動作で、分子マシンを操って分子を捕まえたり放出することを実現させました。分子を自由自在に操ることで、分子レセプターを構造チューニングして、生体分子を凌駕する機能を人工分子に与えたりすることができ、これまでにない発想のセンサーの開発に使われるのです。この研究で、ナノテクノロジーと普段の生活を結び付け、世界のどこでも誰でも先端技術を操れるようになります。現実的な技術進展ですが、無理だと思われることにも、もっと破天荒に、個性的にチャレンジしていきたいと思っています。
物質系専攻を志す学生へ
失敗してもいい、ドロップ・アウトしてもいい。世界的なハングリーさを持ち、常にチャレンジングであって欲しい。私たちは、分子を合成し、いろいろな形に集め、自由に操り、観察します。とてつもなく鋭敏で変幻自在に機能を変えることのセンサーの開発といった現実路線から、サイコロから触角が伸びていって昆虫のように鋭敏に物質を知覚する分子集合体のような、未知の物質開拓まで行っています。あなたの人生をあなたの研究にかけてみませんか?