一つ目は、新現象・新機能を生みだす魅力的な舞台を創成することです。
将来のエレクトロニクス、フォトニクス、スピントロニクスを担う強相関電子系物質、半導体超構造、有機分子性物質、また、非周期的な階層構造を有する生体物質を含むソフトマター、 さらには、ナノクラスターや固体・液体・気体がつくる界面など、多様な構成要素と凝集様式を有する多彩な物質を対象として、物質科学の新しい世界を切り拓いています。
二つ目は、巨視的な物性の観測を越えて、ナノスケールでの現象を直接検出し、制御することです。
これについては、走査トンネル顕微鏡、高分解能電子顕微鏡、シンクロトロン放射光・中性子線などの量子ビーム、超短パルスーレーザー、スーパーコンピューターによる第一原理シミュレーション等、最先端のテクノロジーを基盤とした物質科学研究を行います。
三つ目は、超強磁場・超高圧・超低温、強光子場等の極限状態や、プラズマや超急冷によって生じる非平衡状態のダイナミクスを観測することです。
それらの観測を通して、強い電子相関をはじめとする物質の中の多体効果を解明することができると期待されます。 これについては、様々な極限状態や非平衡状態を生成・検出する手法と、それを理解するための学理の構築を進めています。