メッセージ
人類にとっての大発見が眠っている可能性は大きい。世界で初めての新しい知識の獲得には未踏極限環境への挑戦が不可欠です。
「技術」。高校生の頃、担任が私に贈ってくれた言葉です。得意だった理科的な技術を生かせということだろうか、そんなことを思いました。 大学の卒業研究以来、もう22年にわたって強磁場の研究を行っています。磁場発生は単純なようでとても難しい技術です。極限的強磁場環境の構築によって、他の追随を許さない世界初の成果を上げられることが研究の最大の魅力です。すでによく分かっていると思われている物質においても、超強磁場環境が全く新しい性質を引き出し、そこに大発見があるかもしれません。
物質系専攻を志す学生へ
物質の世界は量子力学に支配され、我々は1023個の原子が織りなす現象のほんの一部を把握できているに過ぎません。物質の研究は、研究者1人1人のアイデアがすぐに試せるようなスモールサイエンスです。大発見から小発見まで、研究において何か世界で初めての新しい知識を独自の考えや方法で得られたときは感無量です。物質のミクロな世界は小宇宙に例えられ、まだまだ人類にとっての大発見が眠っている可能性が大きいです。その可能性に挑戦してみて下さい。