メッセージ
人との出会い、そして繋がりが成果を生む。高い目標を持った仲間と協力し、また、ある時は切磋琢磨しながら、これが“自分の発見”だと言える発見をしてください。
私(岡本)は、有機分子性半導体の光物性物理の研究で本学の博士課程を修了した後、岡崎の化学系の国立研究所で助手を、東北大の磁性半導体のレーザー分光の研究室で講師・助教授を務めました。本学に戻ってからは、様々な周波数と時間幅を持つ“光”を使って、“物質の電子物性を解明し、制御し、応用する”という研究をしています。 対象とする物質は、遷移金属酸化物、有機分子性物質、共役ポリマーなど様々です。これらが持つ強相関電子系や低次元電子系の特徴をうまく活用すれば、テラヘルツ(1012Hz)の繰り返し周波数で動作する超高速光スイッチング素子など、従来の半導体技術を越える次世代の光デバイスが実現できる可能性があります。 研究の場所を変えて来たことで、いろいろな人に出会えました。コミュニケーションすることで、たくさんの人と繋がり、高め合えたことが、研究にも私自身にもプラスになりました。
物質系専攻を志す学生へ
全この30年、光技術の発展は予想以上に速く進んできました。昔は出来ないだろうと思っていた「物質の中の電子やスピン、あるいは、原子や分子の運動の観測」が、超短パルスレーザーの進歩によって、今は出来るようになってきています。不可能だと思わずに、目標は高く持つこと、自分が夢と思えることを持って研究に挑んでください。多くの先輩が世界初の素晴らしい発見をしてきました。是非、“自分の発見”と胸を張れる真の発見を体験してもらいたいと思います。