メッセージ
まだ誰も知らないことに向かっていくと、面白いことが起きる。夢中になれるテーマを見つけてそのパズルを自分の力で解いてみよう。
私は学生時代に超流動ヘリウムの研究をしていました。ヘリウムは極低温で超流動という不思議な性質を示します。粘性無く流れたり、コップにいれると壁をよじ登ってコップからこぼれてしまったりするのです。これらの現象は量子力学によって理解できるのですが、量子力学は直観的にわかりにくい世界だと学生時代に思いました。極低温の世界では物質の量子力学的性質がマクロな現象として現れる場合があり、それをよく理解したいと思っているうちに、それが仕事になりました。 今現在は、幾何学的フラストレーションなどの効果によって量子揺らぎの影響が強くて、通常現れる自明な状態が安定でなくなったときにどのような状態が現れるのか研究しています。様々な物質でその基底状態を極低温まで調べて、我々が未だ知らないような状態が現れる可能性を探索しています。
物質系専攻を志す学生へ
どんな研究も新しいことを発見するためには、今まで難しいと思われていたり、だれも試みていないことなどに挑戦しなくてはいけません。答えを知らない問いに取り組むことは、自分の能力を磨くうえでも非常にいい経験になります。物質系専攻にはそのような挑戦ができる研究室がたくさんありますから、ぜひ志望してみてください。