s

研究紹介

表面や界面における原子・分子のダイナミックな過程(振動、拡散、エネルギー散逸、反応など)を、遠赤外領域(数meV)から内殻領域(数100eV)にまたがる各種の表面分光(光電子分光、HREELS、赤外反射吸収分光など)や局所プローブ顕微鏡(STM、AFM)を駆使して実験的に研究しています。また、表面反応を自在に制御して原子スケールでよく規定された表面新物質を構築し、新たな低次元物性・ナノ物性を探索しています。 分子エレクトロニクスにつながる基礎研究からモデル触媒の反応まで、新奇な表面物性・反応の発見やメカニズムの解明をめざしています。

吉信研究室 研究紹介

 

80KのSi(100)c(4×2)表面のダウンダイマー原子に選択的に結合したトリメチルアミン分子のSTM像とモデル図

メッセージ

どんなことも、想定外の結果が出た時が面白い。発見は、見えてきたものに気づくかが分かれ道。セレンディピティを研ぎ澄ませておくことが大切です。

自然が好きで、時々山に行きます。山登りの時に大切なことは、万全の準備と計画をすること。そして、その上で臨んでも、天候が悪ければやめるという決断をすることです。自然が人間の味方をしてくれた時には、感動的な風景に出会えます。 私がこの研究に進んだのは約30年前。表面科学は右肩上がりの発展が始まったところで、世界一をめざした装置を研究室で開発し測定するというスタイルが、好きでした。 表面反応や表面物性は、触媒反応や半導体デバイスの根幹であるだけでなく、宇宙塵表面における分子進化や、雲の氷微粒子表面におけるオゾン破壊反応など自然界における物質変換に重要な役割を果たしています。これから益々重要になる、新エネルギー源の創出やエネルギー変換材料においても、物質の表面界面は鍵を握っています。まだまだ新たな展開が期待できる夢多き分野ですので、若い人の参入と活躍を期待しています。

物質系専攻を志す学生へ

物理、化学、材料系がうまくミックスされ、隣には物性研究所が存在する、最強の物質系大学院です。異分野から移ってきても、修士1年の授業で基礎を固めることができます。

プロフィール

吉信 淳 教授

吉信 淳 教授

1984年 京都大学理学部卒業

1989年 京都大学大学院理学研究科化学専攻博士課程修了(理学博士)

1989年 米国ピッツバーグ大学化学科博士研究員

1991年 理化学研究所基礎特別研究員

1992年 理化学研究所研究員

1996年 理化学研究所副主任研究員

1997年 東京大学物性研究所助教授

2007年 東京大学物性研究所教授(現職)

学生の声

清水 皇

清水 皇 さん

吉信先生は、温厚な人柄で、研究室内外から好かれている先生です。学生一人一人に対して、大変熱心に指導してくれます。私たちの研究は、誰も知らないことを、自分が世界で最初に観測できる面白さがあり、その研究が、いずれ社会に還元されていくかもしれないという期待に溢れた研究室です。

吉信研究室の雰囲気は、自由でオープン。個々人が別々のテーマで研究しつつも、分からないことは相互に積極的に議論ができ、いい意味で序列がない様に思います。


物質系専攻を志す学生へ

「試してみたい」、「調べてみたい」。その、あなたの意欲を満たすものが、ココにあります。

研究室訪問

  • 04-7136-3320
  • 277-8561
  • 千葉県柏市柏の葉5-1-5
  • 東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻
  • 吉信淳教授研究室
  • yoshinobu@issp.u-tokyo.ac.jp